イーサリアムウォレットとは？仕組みをやさしく解説

LeeMaimai

/2025年9月10日

キーストーン

• イーサリアムウォレットは資産へのアクセス権を管理するツールであり、実際の資産はブロックチェーン上に存在する。

• ウォレットにはソフトウェア、ハードウェア、ペーパーの3種類があり、それぞれに利点と欠点がある。

• 自分の秘密鍵を管理することで、資産を完全にコントロールできる。

• DAppへのアクセスやプライバシーの確保が可能で、セキュリティ対策が重要。

• 自分に合ったウォレットを選ぶことが、資産管理の成功に繋がる。

ブロックチェーン技術が進化し続ける中、イーサリアムは依然として分散型テクノロジーの中心的存在です。数千におよぶDApps（分散型アプリ）やスマートコントラクト、活発なトークンエコシステムがその上に構築されています。こうしたエコシステムと安全・効率的につながるために欠かせないのが、「イーサリアムウォレット」です。

イーサリアムウォレットとは？

イーサリアムウォレットは、ETH（イーサ）やその他のトークンを管理し、送受信やDAppとの連携を可能にするツールです。アプリとしてスマートフォンやPC上で動作するものもあれば、物理的なデバイスとして存在するものもあります。

よくある誤解として、「ウォレットが仮想通貨を保管している」と思われがちですが、実際にはそうではありません。ウォレットは、ブロックチェーン上に存在する資産へのアクセス権を管理するものであり、資産そのものは常にブロックチェーン上にあります。

ウォレットが扱っているのは「公開鍵」と「秘密鍵」という暗号鍵のペア。このうち秘密鍵を使って、取引の署名や資産の移動を行います。つまり、ウォレットは資産の“所有証明”と“操作手段”を提供する役割を担っているのです（Bitpanda Academy）。

イーサリアムウォレットの仕組み

鍵とアドレスの生成：
ウォレットをセットアップすると、自動的に「公開鍵」と「秘密鍵」が生成されます。公開鍵からは個別の「イーサリアムアドレス」が作られ、それが資産の送受信先になります。一方で秘密鍵は極めて重要な情報であり、他人と絶対に共有してはいけません。この鍵があれば誰でも資産を動かせてしまうためです（Cointelegraph）。

取引の署名と送信：
ETHの送金やDAppとの操作を行う際、ウォレットは取引データを作成し、それに秘密鍵で署名します。この署名によって本人確認がなされ、取引内容が承認されます。その後ネットワークへ送信され、マイナーやバリデーターによって検証・記録されます（Ethereum.org）。

DAppとの連携：
ウォレットは単なる資産管理ツールではありません。DAppへのログインやスマートコントラクトとのやり取りも可能です。このときも秘密鍵は外部アプリには渡らない仕組みになっており、安全性とプライバシーがしっかり守られています。

セキュリティ対策：
秘密鍵はユーザー自身が管理する必要があります。万が一流出すれば、第三者に全資産を奪われるリスクがあります。そのため、多くのウォレットでは「リカバリーフレーズ」と呼ばれるバックアップ機能を提供しています。これは単語の組み合わせで構成された文字列で、このフレーズさえあれば秘密鍵を復元可能です。ただし、このフレーズ自体も厳重に保管し、他人には絶対に見せてはいけません（Bitpanda Academy）。

イーサリアムウォレットの種類

ソフトウェアウォレット： PCやスマホ用のアプリ、またはブラウザ拡張機能として使えるタイプ。秘密鍵は端末内に保存されます。
ハードウェアウォレット： 秘密鍵をオフラインで保管する物理デバイス。マルウェアやハッキングにも強く、高いセキュリティ性が特徴。
ペーパーウォレット： 鍵情報を紙などに印刷してオフライン保存する方式。安全性は高いですが取り扱いには注意が必要です（Cointelegraph）。

それぞれ一長一短がありますが、大きな金額を保有している場合や長期保管には、安全性重視のハードウェアウォレットが推奨されています。

なぜイーサリアムウォレットが必要なのか？

資産を自分で完全にコントロールできる：
中央集権的な取引所と異なり、自分自身で秘密鍵を管理できるため、本当の意味で“自分の資産”になります。
エコシステムへのアクセス手段：
DeFiサービスからNFTマーケットプレイスまで、多種多様なDAppにアクセスするにはウォレットが必要不可欠です（Ethereum.org）。
プライバシーとセキュリティの確保：
個人情報や取引履歴など大切なデータを自分自身で管理できるため、第三者へ預ける必要がありません。