Hyperliquid API入門:2026年版・初心者向けガイド
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Hyperliquid API チュートリアル
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オンチェーン取引 API
プログラムからオンチェーンの無期限先物取引に参加したいと考えたことがあるなら、Hyperliquid APIは、現在のオンチェーンDEXの中でも中央集権型取引所に近い操作感を持つ選択肢の一つです。マーケットデータの取得、アカウント管理、注文・キャンセルなどの取引操作に加え、WebSocketによるリアルタイム配信にも対応しており、シンプルなクオンツ戦略からマーケットメイクまで幅広い用途に使えます。
この記事では、Hyperliquid APIを初めて触る開発者向けに、APIの全体像、認証方式、基本的なサンプル、よくある注意点を整理します。
Hyperliquid APIでできること
Hyperliquidの公式ドキュメントによると、APIは主に次の3種類に分かれます。
Info Endpoints
市場データを取得するためのエンドポイントです。現在の板情報、直近の約定履歴、資金調達率の履歴、アカウントのポジション、過去注文などを取得できます。
Info系のエンドポイントは署名不要で、公開データとしてアクセスできます。
Exchange Endpoints
注文、キャンセル、レバレッジ変更、証拠金調整など、実際にアカウントへ影響する書き込み操作を行うエンドポイントです。
この種の操作にはウォレット署名が必要であり、秘密鍵の管理が非常に重要になります。
WebSocketリアルタイム配信
板情報の更新、約定フロー、アカウントイベントなどをリアルタイムで購読できます。低遅延で反応する必要がある取引戦略では、REST APIだけでなくWebSocketの利用がほぼ必須になります。
ベースURLとAPI構造
HyperliquidのREST APIのベースURLは次のとおりです。
https://api.hyperliquid.xyz
すべてのリクエストはPOSTメソッドを使用し、リクエストボディはJSON形式です。
- Info系エンドポイント:
/info - Exchange系エンドポイント:
/exchange
具体的なフィールド定義や仕様は、必ず公式ドキュメントの最新情報を確認してください。以下のコード例は入門用のサンプルであり、本番利用前には最新仕様との照合が必要です。
認証方式
Hyperliquidの取引APIは、一般的な「API Key + Secret」方式ではなく、EIP-712の構造化データ署名を採用しています。
つまり、次のような前提になります。
- Ethereum互換のウォレットアドレスが本人識別子になります
- 取引リクエストごとに、対応する秘密鍵で署名します
- 署名により、そのアドレスの保有者がリクエストを承認したことを証明します
- 従来型のAPIキーをサーバーに預ける必要はありません
この設計は、盗まれやすいAPIキーを持たないという点で安全性のメリットがあります。一方で、秘密鍵管理の重要性はさらに高くなります。秘密鍵が漏えいすると、攻撃者は正当な署名を作成し、アカウントを操作できてしまいます。
ここで重要になるのが、OneKeyのようなハードウェアウォレットの活用です。OneKeyハードウェアウォレットでは、秘密鍵をセキュアチップ内に隔離し、署名処理もデバイス内部で完結します。秘密鍵がPCやスマートフォン、ネットワーク上に出ることはありません。
API取引を行う場合でも、主アカウントとAPI用のアカウントを分け、リスクを限定した運用にすることが重要です。OneKeyの複数アカウント管理を使えば、長期保管用の資産と、Hyperliquid APIやOneKey Perpsで使う取引用資金を分離しやすくなります。
Info取得の例:Python + curl
まずは、現在取引可能なすべての資産メタデータを取得する簡単な例です。
curlの場合
curl -X POST https://api.hyperliquid.xyz/info \
-H "Content-Type: application/json" \
-d '{"type": "meta"}'
Pythonの場合
import requests
import json
url = "https://api.hyperliquid.xyz/info"
payload = {"type": "meta"}
headers = {"Content-Type": "application/json"}
response = requests.post(url, json=payload, headers=headers)
data = response.json()
print(json.dumps(data, indent=2))
レスポンスには、取引可能な各コントラクトの基本情報が含まれます。たとえば、資産名、最大レバレッジ、最小注文数量などです。
この種のInfoクエリは完全に公開されており、認証は不要です。Hyperliquid APIを学び始める最初のステップとして適しています。
アカウントのポジションを確認する
特定アドレスのポジション状況を確認する場合も、Info系エンドポイントを使います。ウォレットアドレスを指定します。
payload = {
"type": "clearinghouseState",
"user": "0xYOUR_WALLET_ADDRESS"
}
response = requests.post(url, json=payload, headers=headers)
返却データには、証拠金残高、各銘柄のポジション数量、未実現損益などが含まれます。
注意点として、これは公開されているオンチェーン関連データです。誰でも任意のアドレスのポジション状態を照会できる点を理解しておきましょう。
WebSocketでリアルタイム購読する
WebSocketのエンドポイントは次のとおりです。
wss://api.hyperliquid.xyz/ws
接続後、購読メッセージを送信するとリアルタイム配信を受け取れます。
import asyncio
import websockets
import json
async def subscribe_orderbook():
uri = "wss://api.hyperliquid.xyz/ws"
async with websockets.connect(uri) as ws:
sub_msg = {
"method": "subscribe",
"subscription": {
"type": "l2Book",
"coin": "BTC"
}
}
await ws.send(json.dumps(sub_msg))
while True:
msg = await ws.recv()
data = json.loads(msg)
print(data)
asyncio.run(subscribe_orderbook())
購読できる主なデータには、次のようなものがあります。
- L2板情報(
l2Book) - 直近の約定(
trades) - アカウントイベント(
userEvents、認証アドレスが必要) - グローバルな資金調達率関連データ
リアルタイム性が重要な戦略では、REST APIで定期取得するよりもWebSocket購読を中心に設計するほうが自然です。
よくあるつまずきポイント
JSONの形式ミス
最も多いエラーの一つは、リクエスト形式のミスです。Hyperliquid APIはJSONフィールドの型や名前に厳格です。
たとえば、本来は数値で送るべき項目を文字列として送ると、リクエストが拒否されることがあります。エラーメッセージだけでは原因が分かりにくい場合もあるため、公式ドキュメントと照らし合わせて確認する必要があります。
署名の実装ミス
EIP-712署名は、型定義、ドメインセパレーター、署名対象データの構造など、細かい仕様を正確に扱う必要があります。手作業で実装するとミスが起きやすいため、可能であればコミュニティや公式が保守しているHyperliquid SDKを利用することをおすすめします。
PythonやJavaScriptのSDKを使うことで、署名生成やリクエスト整形の実装負担を減らせます。
タイムスタンプのずれ
取引リクエストには通常、現在時刻のタイムスタンプが含まれます。有効期限の範囲が限られているため、ローカルマシンの時刻が大きくずれていると、リクエストが期限切れとして拒否される可能性があります。
サーバーの時刻同期を適切に設定しておきましょう。
ネットワーク障害への対応
本番環境では、ネットワーク障害を前提にした設計が必要です。
WebSocket接続は一時的に切断されることがあります。REST APIでも一時的なエラーが発生する可能性があります。自動再接続、再購読、リトライ、指数バックオフなどの仕組みを、戦略コード側に組み込んでおくことが重要です。
レート制限の概要
Hyperliquidでは、エンドポイントの種類ごとに異なるレート制限が設けられています。具体的な数値は公式ドキュメントの最新バージョンを確認してください。
一般的には、Info系の照会APIは比較的緩やかで、Exchange系の取引APIはより厳格です。高頻度で注文・キャンセルを行う戦略では特に注意が必要です。
HTTP 429エラーが返った場合は、単純に即時リトライを繰り返すのではなく、リクエストを停止し、指数バックオフを使って間隔を空けて再試行するべきです。
開発環境と運用のおすすめ
本番で大きな資金を動かす前に、次の点を確認してください。
小さなポジションから実運用テストする
Hyperliquidでは、永続的な無期限先物取引を試すための独立したテストネットが報告上存在しないため、初回テストでは実資金を使う可能性があります。
その場合は、必ず小さなポジションから始めてください。APIの実装ミス、注文数量の桁間違い、ポジション方向の誤認などは、実際の損失につながります。
署名用キーと主資産を分離する
API取引用の秘密鍵やアドレスは、長期保管用の主アカウントから分けることをおすすめします。
専用のサブアカウントまたは独立アドレスを作成し、API取引に使う資金だけを入れることで、万が一の影響範囲を限定できます。OneKeyウォレットの複数アカウント管理を使えば、保管用、手動取引用、API取引用などを分けて管理しやすくなります。
OneKey Perpsを実践的なワークフローに組み込む
APIをいきなり本番運用する前に、OneKey Perpsで手動の取引フロー、証拠金管理、ポジション確認、リスク管理の感覚をつかんでおくと実装時の理解が進みます。
OneKey Perpsは、ウォレットを起点に無期限先物取引へアクセスするための実用的なワークフローとして使えます。API戦略を組む場合でも、日常的なポジション確認や手動でのリスク調整には、OneKeyアプリとOneKey Perpsを併用するのが現実的です。
まだ使っていない場合は、OneKeyをダウンロードして、少額かつ無理のない範囲でOneKey Perpsの操作感を確認してみてください。これは投資を推奨するものではなく、安全な取引環境とキー管理を整えるための実践的な準備です。
オープンソース実装を参考にする
アプリケーション層でウォレット署名を安全に扱う設計を学ぶうえで、OneKey GitHubの実装は開発者にとって参考になります。署名フローやウォレット連携の設計を確認し、自分のアプリケーションに応用できる部分を検討するとよいでしょう。
FAQ
Q1:Hyperliquid APIを使うにはアカウント登録が必要ですか?
いいえ、従来の意味でのアカウント登録は不要です。
Ethereum互換のウォレットアドレスがあれば利用できます。そのアドレスでHyperliquid上の初回操作、たとえば入金などを行うことで、APIを使った操作が可能になります。メールアドレス登録やKYCは不要です。
Q2:PythonでHyperliquid APIを使うためのSDKはありますか?
はい、コミュニティや公式によるPython SDKがあります。最新の保守状況はHyperliquid公式GitHubページで確認してください。
SDKを使うことで、EIP-712署名の構築やリクエスト形式の処理を大幅に簡略化できます。特に取引APIを扱う場合は、最初からSDKを利用するほうが安全です。
Q3:WebSocketが切断された場合、どう自動再接続すべきですか?
WebSocketクライアント側で、ハートビート確認と自動再接続を実装するのが基本です。
接続が切れた場合は、1〜5秒程度待ってから再接続し、必要なチャンネルを再購読します。障害が長引く場合に備えて、指数バックオフを使うと、サーバー障害時に過剰な再接続リクエストを送るリスクを抑えられます。
Q4:API取引の資金安全性はどう確保できますか?
API取引の安全性は、最終的には秘密鍵をどのように保管するかに依存します。
OneKeyハードウェアウォレットを使って署名すれば、秘密鍵をオンライン端末に露出させずに済みます。これは現在知られている中でも高い水準のキー管理方法の一つです。
加えて、API専用アカウントのポジション上限を決める、未約定注文を定期的に確認する、異常なポジションがないか監視する、といった運用ルールも必要です。
Q5:Hyperliquid APIは条件注文やストップロスに対応していますか?
Hyperliquidは、ストップロスや利確ロジックを含むトリガー注文(Trigger Order)に対応しています。
具体的なパラメータや発動条件は、公式ドキュメントのOrder Typeに関する説明を確認してください。より複雑な条件ロジックを使う場合は、戦略側でポジションや価格を監視し、条件成立時に注文を送る設計も考えられます。
まとめ
Hyperliquid APIは、開発者向けに比較的整理されたオンチェーンDEXのAPI体系を提供しています。Info系エンドポイントはマーケット監視やデータ分析ツールに向いており、Exchange系エンドポイントとWebSocketを組み合わせれば、シンプルな自動売買から高度なマーケットメイクまで実装できます。
一方で、EIP-712署名を使う設計である以上、秘密鍵管理は最重要項目です。OneKeyウォレットを署名と資産管理の基盤として使うことで、手動取引だけでなく、API取引においてもハードウェアレベルのキー分離を実現しやすくなります。
Hyperliquid APIの開発を始めるなら、まずはInfo APIでデータ取得を試し、OneKeyで安全なウォレット環境を整え、OneKey Perpsで実際の取引フローを少額から確認するのが現実的です。OneKeyをダウンロードして、資産管理とOneKey Perpsの操作環境を整えたうえで、自分のリスク許容度に合った形で開発を進めてください。
---免責事項---
本記事は技術的な参考情報を提供するものであり、投資助言、金融助言、法的助言ではありません。API取引には自動化特有のリスクがあり、戦略や実装の誤りによって想定外の大きな損失が発生する可能性があります。無期限先物取引は高レバレッジを伴うことがあり、非常に高リスクです。関連する技術的リスクと市場リスクを十分に理解したうえで、参加するかどうかを慎重に判断してください。過去の戦略成績は将来の利益を保証するものではありません。



